2015-4-29 ViViD パシフィコ横浜
ViViDが解散する。
結局最後の日まで私はこの事実に実感を抱く事も無く、受け入れることも無く過ごしてきた。
家を出た時、空は灰色に覆われていて今の私の気持ちを悟ってくれているようだったが、横浜に近づくにつれて雲の隙間から太陽が顔を出し、さっきまでの曇り空が嘘のように晴れていくのが少しだけ憎かった。
会場に着いたのは開演時間数分前。
こんなに余裕の無い気持ちで席に着いたのは初めてだった。
でもその余裕の無さが逆に自分にとってはありがたかった。
ひとりで席に座っていたらきっと私は目に見えない何かに押しつぶされていた。
開演前、いつもなら時計ばかり気にしている私もさすがにこの日だけは時計を見る気にはなれなかった。
始まってほしくなかった。
できればこのまま、座って待っているこの時間が永遠に続けばいいと思った。
これが最後のライヴなんだという実感がなさ過ぎて、ここにいる約5000人がViViDのために駆けつけたということに感動しながらも、なぜこの人たちはここに集まったんだろうという感情にさえなっていた。
何も覚悟しないまま、落とされた会場の照明。
聞こえた歓声は、待ちわびていた歓声というよりはとまどいがあったように思えた。
SEに合わせて聞こえる手拍子、ステージに大きく映し出された映像は教会のような形をしていて、それはラストシングルFrom the beginningのPVを彷彿させた。
かと思えば突然、ステージの奥から光が見えた。
沸き上がる歓声。
メンバーの登場方法は私の予想をはるかに超えていた。
ドラムセットの後ろにある扉から楽器隊4人が現れる。
私は心に余裕が無さ過ぎて扉の存在に全く気付いていなかった。
だから余計に、この登場の仕方が「最後」を物語っていると分かっていても素晴らしくかっこいいと思えた。
それぞれが自らの立ち位置へ向かい楽器を手に取る。
そして扉の前に現れたのはシン。
彼はひとりで大きな扉の前に立ち、両手を広げた。
今日一番の歓声。
それをしっかりと受け止めた彼は階段を下りてステージの真ん中へ。
これで役者は揃った。
一曲目は、From the beginning。
演奏が始まった時、私は耐えきれなくて涙を流した。
正直この曲が一曲目だとは思っていなくて、前回のブログ
2015-3-29 名古屋CLUB QATTRO - blogでも言ったが私はこの曲を泣かずに聴くことは出来ないのだ。
ステージの両サイドにスクリーンが設置されていたがこの曲ではスクリーンに映像が映し出されることが無かったため、私の見た限りではメンバーも少し緊張しているのか顔がこわばっていたように思えた。
少し落ち着いたところでメンバーひとりひとりを見ると、衣装に統一感が無いことに気付いた。
あまりにもまとまりのない衣装で、泣いていたはずの私も思わず笑ってしまった。
最後にこんなところでViViDらしさを感じるとは思わなかった。
二曲目は、「夢」~ムゲンノカナタ~。
この曲で会場の雰囲気もメンバーの緊張も解れたように感じた。
そして流れるようにTHEATER、REDへ。
いつもと変わらないライヴ。
これが最後だなんてことはすでに忘れていた。
タオルを振り回す曲、BLUEからの悪女♂トリッキーという流れは個人的に好きでテンションが上がった。
そしてTake-offからのキミコイ。
この流れは私だけでなく会場にいた誰もが好きな流れだっただろう。
そしてここからはバラードへ突入する。
天音、LETTER、夏花、Thank you for all。
バラードを歌うシンの歌声は、どのライヴよりも一番良かったと私は自信を持って言える。
今までがそうでなかったというわけではないが、この日のシンはいつもと違って感情むき出しで歌っていた。この表現で合っているのかは分からないが。
特にLETTERでそう感じたのだが、WOWOWの放送でカットされていたのが残念でならない。
Thank you for allが終わるとMCへ。
一体何を話すのかと少し身構えてしまったのだが、全然そんな必要はなくて。
今までツアーをやってきて最後がここパシフィコ横浜だけど、実はイベントで一度この会場でライヴをやったことがあるという話になった。
そう、あのマギフェスだ。
私はマギフェスには行っていないのだが、Ko-kiの手関節靭帯損傷怪我完治後のライヴであったため、どんなライヴだったのかを知りたくてTwitterで情報を集めていたところ、偶然にも「ViViDというバンドが演奏していたんだが客が彼らではなく後ろのモニターで流れてるマギの映像に沸いてて少し可哀想だった。」というツイートを発見した。
その後ニコニコ生放送でのレギュラー番組、THE ViViD STYLEにて彼らはマギフェスでのライヴについて「お客さんが俺らじゃなくて後ろの映像に沸いてた」と笑顔で包み隠さず話していたことを知った。
その時の私のツイートがこちら。
先月のViViDのニコ生観てたらマギフェスの話してたんだけど、俺らじゃなくてバックで流れてる映像に沸いてたって言ってて、気付いてたのか…って思ったよ…(笑)
— ちづる (@NSCrew_) July 11, 2014
「ライヴ後に「いや~ViViDさんのおかげで非常に盛り上がりましたよ!」なんて言われたけど、果たして俺らのおかげだったのかなっていう…」
「俺らもマギのコスプレしたらよかったのかな?」
「いや、それはそれで似てないって言われそう…」
なんて話してた話題を、まさかまたViViD本人達の口から、しかもラストライヴで聞くとは思わなかった。
あの時は後ろの映像だったけど、今日は違うから。
そう言うメンバーに悲しそうな雰囲気はなく、会場も皆笑顔だった。
その後、零乃の「女子ーーー!!」「男子ーーー!!」という恒例行事で「怜我ーーー!!!」というオチがあって。
いつもやってきたのに反応遅いよ~~なんてほっこりするやりとりがあって。
そこから怜我のマイクだけ違くない?と言ってマイクの違いを教えてくれたり。
会場みんなでKo-kiの名前を呼んで、生きててよかったーーー!!!とKo-kiが叫んだり。
誰もが最後ということを受け入れながら、でもそれを感じさせない。
この時私は「今日はもしかしたら笑って終われるかもしれない」なんて漠然と思っていた。
MC明け一曲目はやっぱりこの曲、夏風~endless love~。
この曲で魅せるメンバーは本当に楽しそうで、私はこの曲が好きだからという気持ちもあるがそれ以上にメンバーの楽しそうな笑顔につられて笑顔になっているんだといことに、メンバーは気付いてくれていただろうか。
次はPRECIOUS。
このタイミングでこの曲をやってくれるのかという驚きもあったが、なんといってもサビでおこる大合唱が気持ちよかった。
次に聴こえてきたのはライターの着火音。
Bright red garden。
この曲を好きじゃない人がいるのか?と思ってしまうほど私はこの曲が大好きなのだが、どうやら会場のみんなも同じ思いの人ばかりだったように感じた。
間奏では楽器隊それぞれのソロがあり、最後にこんな素敵なアレンジでBright red gardenを聴けることに素直に感動した。
そしてここからは後半戦へ突入。
Winding Road、Little Dreamerときたら33-XVIからのThe Devil whispers。
Winding Roadが始まった時、また一からライヴが始まったような感覚になった。
不思議な感じだった。
MCも終わり、本編の終わりが近いことは頭では分かっているものの、終わりに近付けば近付くほど自分の中で何か熱いものが込み上げてくる。
単純に、終わらせたくなかったんだと思う。
ただ、どうやって終わらせないようにすればいいのかが分からなくて、むしゃくしゃした思いがふつふつと湧きあがってきたんだと思う。
実際のところ自分がこの時何を思ったのかよく覚えていないのだが、とにかく言葉にならない熱い思いがあったことはたしかだ。
最後、RIDE on time。
私はこの曲の”いつか咲き誇るまで枯れはしない”、”でっかい花咲かすまであきらめない”のところでウォイウォイウォーイ!!!と叫ぶのが好きで。
恥ずかしながらこの曲でウォイウォイウォーイ!!!と叫ぶことを知ったのはつい4か月前のことだった。
私が初めて行ったViViDのライヴでももちろんこの曲はやったのだが、その時はそんな掛け声など全く聞こえなかった。
初めてこの掛け声を聞いた時は衝撃的だった。
それと同時に、なぜこの曲がライヴの定番曲になっているのかがようやく分かった気がした。
この曲こそまさに、ViViDとファンが作り上げた本編最後にふさわしい曲だと私は思う。
本編の終りは意外とあっさりやってきて、演奏を終えたメンバーはステージ袖へと消えて行った。
席に座りiPodで時間を確認すると、たしか20時を過ぎていた。
ステージに再び戻ってきたメンバーは、ライヴTシャツに着替えていた。
先ほどの熱いライヴの雰囲気とは打って変わって静かな始まり。
「こういう広い会場に立つと、武道館でのライヴを思い出す。次に歌う曲は武道館ライヴをやるにあたってみんなに精一杯のありがとうを込めて作った曲。でも今ならあの時よりもこの気持ちを伝えられると思う。」
シンがそう言って始まったのはmessage。
”限りある時の中で あとどれくらい隣にいれるだろう”
この歌詞に、時の流れは残酷だと思った。
先の見えない未来、まだ終わりを約束されていないあの頃に書かれたこの歌詞が、時を経てこんなにも胸に深く突き刺さってくるのかと思った。
もう少しで「限りある時」は終わってしまうのだ。
次の曲はFAKE。
あのイントロが聴こえてきたときはとても驚いた。
まさかこの曲がアンコールで、しかもmessageのあとにやるとは。
ここにきて新しいViViDの一面を見た気がした。
そしてDistance of mind、survive、J-guildと懐かしいメロディーが続く。
surviveの”宣誓俺らマジwake up!!”のところでシンが2階の上手を指差して力強く歌ってたのが印象的だった。
一体アンコールで何曲やるつもりなんだろう…
そんな疑問を抱いた時、急にその時はやってきた。
「まずは、イヴ。」
最後のMCのトップバッターとしてシンに名前を呼ばれた彼は、一点を見つめて数秒間動かなかった。
一瞬で空気が変わったのが分かった。
イヴを呼ぶ声と、それに応えようとしてマイクを握るもののなかなか言葉を発することが出来ないイヴ。
あまり感情を表に出してこなかった印象の彼が、初めて見せた姿だった。
「10代から音楽やってきて、結成した頃は根拠のない自信があって。5人ならずっと一緒にいられると思ったけど…やっていくうちに進化というか変化というか……ずっと目指してたものが今日のライヴで実現出来たと思う。こんな人間だけど、最後まで自分貫いてきた。これからも自分を貫いていく。」
次は怜我。
スクリーンに映し出された彼の顔はくしゃくしゃで、会場から名前を呼ばれる度に嗚咽を必死にこらえていた。
その姿が本当に愛おしくて、私の周囲からはすすり泣く声と一緒に笑い声もかすかに聞こえた。
「音楽やりたくて、東京出て来て。上手くいかない事たくさんあったけど、イヴに会って、メンバーに会って。ViViDをやっていくうちに希望や未来を知った。そんな僕が知った希望や未来をみんなに伝えたくて今までやってきた。僕ひとりじゃ出来なかった。まずはそんなメンバーに、ありがとう。そして今まで支えてくれたみんなに、ありがとう。こんなにたくさんの人に愛してもらったことないから、ファンの子の言葉とかいちいち嬉しくて…もっと頑張んなきゃって。今までありがとう。バイバイ。」
次はKo-ki。
シンに名前を呼ばれた時すでに彼はタオルで目頭を押さえていた。
泣かないと言っていたKo-kiが、自分の気持ちに正直に涙を流す姿を見て私は少し安心した。
「音楽始めた時のこと思い出してて。何のとりえも無かったけど、メンバーと出会って…仲間って大切だなって。ごめんね?上手く喋れなくて。今日は泣かないって思ってたけど、もうmessageやってる時から泣きそうでさ…(笑)最後にこんな景色見られてめっちゃ幸せだなって。叶えられた夢があって、叶わない夢もあったけど、それ以上に大切なものが見つかった。応援してくれてありがとう。今まで振り返ると青春って無かったんだけど、この6年間が青春だったのかなって思う。これからメンバーは違う道に進むけど、前向きな決断だしViViDをやってすごくいい経験が出来た。今日のことは一生忘れない。」
次は零乃。
前の3人と違って、涙は見せずにいつものように話し始めた。
「6年間ありがとう。正直俺はまだ実感が無い。いつものように朝起きて、野菜ジュース飲んで。いつものように車乗って会場に来て、楽屋でメンバーがメイクしてるの見ると、まだ続くような気がして。でも今日でViViDは解散する。こんなどうしようもない自由気ままな俺らを愛してくれてありがとう。」
最後、シンを呼ぶ声は自然と会場から沸きあがった。
背を向けていた彼は前を向き、静かに話し始める。
「これがViViDのヴォーカル、シンとしての最後の言葉。僕はMCが嫌いだった。自分じゃない自分が喋ってる気がして、こんな言葉に誰が共感するんだって。最近になって、いいんだなって、どうしようもない自分でも本当に言いたいこと言えるようになって。今から、ひとりの人間として話します。今この瞬間、たとえ自分が消えたとしても何事も無く明日は来る。それは僕だけじゃなく、ここにいる全員に言えること。そんな世界だけど、ViViDが解散すると決まった時、自分はどうすればいいのか、何をしたいのか、死ぬ気で考えた。これをみんなに伝えるべきかどうかも考えた。でも、今日言わなきゃ一生後悔すると思ったから伝える。俺はたまたまこんな声に生まれて、たまたまメンバーに会ってViViDになって。色んな景色をたくさん見てきた。そんな中で、自分の歌に対する想いがどんどん強くなって。解散が決まってからは、本気で自分の歌と向き合い、自分は何をしたいのか、やっと分かった。僕は歌い続けたい。この命が尽きるまでずっと歌い続ける。生きるために歌うのではなく、歌うために生きたい。そう思わせてくれたのは紛れもなくファンのみんなや、メンバー、そしてViViDに関わってくれたスタッフのみなさん。今日を乗り越えて、しっかり明日を進もう。こんなちっぽけな俺らだけど、みんなに新しい世界を見せる。」
シンが歌い続けることなど、分かっていた。
解散を発表してから彼のブログを遡って読んでいたのだが、ViViDがデビューした日のブログにこう綴られていた。
―表面では「振り落とされないようにしっかり着いて来いよ。」っていいながら、自分が一人取り残されて周りがどんどん先に進んでいってしまうような気がすることもあった。でも俺の心の中には昔からずっとずっと変わらずにキラキラしてる思いがあります。「歌が好き」その思いだけが何度も挫けそうになった時俺を立ち直らせてくれた。―
歌わない選択肢など、シンは絶対に選ばない。
そう思っていたからこそシンが「歌い続けたい」と言った時は、やっぱりなという思いと、やっと言ってくれたという安心感に満たされた。
気付かなかったのだが、シンが話してる最中に楽器隊は小さな音でBGMのように音を奏でていた。
その音はシンの力強い思いを汲んでか次第に大きくなり、Good Morning Worldへと繋げる。
とあるバンドを彷彿させる演出だった。
前々から演出が似てるなとは思っていたが、最後に彼らはそのバンドから学んだことを見事に自分たちのものにし、披露してくれた。
パクリだとかそんな嫌な思いは無かった。
演奏が始まって早々にイヴが座り込んだ。
いや、座り込んだというより膝から崩れ落ちたという表現の方が適切な気がする。
消えたベースの音。
彼が何を思い、感情を震わせ、ベースを弾くことをやめて崩れ落ちたのか。
それはイヴが散々言ってきたこの曲に思い描いた景色が、目の前に広がっていたからではないだろうか。
そんな姿を見て、肩に手を置いたのは怜我。
どんな言葉をかけたのかは分からないが、しばらくするとイヴは笑顔を見せて立ち上がった。
この曲は、バンドの未来の希望を歌った曲。
少なくとも私はそう解釈しているのだが、解散を発表してからもViViDはこの曲を必ずと言っていいほどライヴで演奏してきた。
私はどうしてこの曲なのかがずっと分からなかった。
同じような曲で言えば、光-HIKARI-の方が人気があったように思う。
でも、この曲でなければ意味が無かった。
彼らは自分たちの想いを押し付けてたのではなく、今日この日、楽曲制作中に思い描いた景色を最後に見たくてこの曲を育ててきたのだと分かった。
本当にどうしようもない人達だと思った。
どうしようもない5人を、私はどうしようもなく好きになったんだ。
演奏を終えるとメンバーは再びステージ袖へと帰っていく。
真ん中にシンがひとり残った。
一瞬で何か私たちに伝えたいことがあってそれを叫ぶんだなと分かった。
シンは息を大きく吸い込むと、マイクを使わずに叫んだ。
――ありがとうございました!!!
ステージを去る彼の姿は、 ViViDのヴォーカルとしてだけでなく、ひとりの人間としてもたくましい存在に見えた。
時間を確認すると、あと数分で21時になろうとしていた。
帰りの新幹線は最終のひとつ前の席を予約してたため、このまま会場を出て新横浜駅に向かわなければ間に合わなかった。
しかし鳴り止まぬアンコール。
何人かは諦めて会場を出ていったが、私は「最後まで見届けると誓って家を出たのだから」という思いが変わることはなかった。
新幹線を諦めて数分した頃、メンバーがステージに戻ってきた。
「一緒に歌ってくれますか? 僕らがViViDとしての道を歩み始めたそのときにこの曲が出来て、すごく大切にしてきた。」
その曲はもちろんDear。
曲に合わせて手拍子したりジャンプしたり。
楽しそうにしていたメンバーも、その時が来ると真剣な顔つきに変わる。
音が止み、静まり返った空間で真っ先に聞こえてきたのはみんなの鼻をすする音だった。
正直あの瞬間が一番つらかった。
こんなにも悲しんでくれる人が、愛してくれている人がいるのに、あと少しで彼らは解散するのだ。
”僕も決して強くはないけど 君が居るから強くなれるんだ
生きてるのも 悪くないと思えたんだ… 君に会えて…”
シンとファンの、最後の掛け合い。
それを優しい眼差しで見つめる楽器隊の4人。
最後にシンが歌い上げると、Ko-kiが力強くドラムを叩いた。
次の瞬間、銀テープが会場に放たれた。
私は銀テープの存在などすっかり忘れていたため、突然聞こえた大きな音に驚き、天井を見上げてその綺麗さにまた驚いた。
落ちてきたそれをしっかり掴む。
メンバーの目にもう涙は無かった。
演奏が終わると4人はドラムの前に集合して5人で何かを話し始めた。
円陣を組んで聞こえてきた気合い入れの掛け声。
「ラスト一曲やらせてください!」
まさかの出来事だった。
こちらとしては新幹線の時間も迫っていて、乗り遅れるわけにはいかない状況。
「今日この場所が、ViViDにとって、ViViDのファンにとって、そして関わってくれたスタッフ、家族、すべての人にとって、新しい始まりになりますように!」
そう言って始まったのは、2度目のTake-off。
新幹線に間に合わなければならないという思いがありながらも、ViViDの最後の演奏を聴かずにはいられなかった。
会場に響き渡るみんなの「テイクオフ!」の声も、振りも、ヘドバンも、これで本当に最後。
最後にViViDが与えてくれた時間に、後悔の無いように全力で応える会場。
”みんなを忘れないよ どれほどの時が経っても”
この歌詞を力強く感情込めて歌うシン。
笑顔でジャンプする零乃。
お互いに見つめ合って笑う怜我とイヴ。
後ろから優しい笑みでみんなを見つめるKo-ki。
最後までViViDらしいステージだった。
音が止み、全てが終わると会場はメンバーを呼ぶ声で溢れた。
零乃が会場に背を向けてゆっくりと膝から崩れ落ち、丸くなってしばらく動かなかった。
そんな零乃を笑顔で抱きしめるKo-ki。
WOWOW放送で確認したら、この時零乃は「終わった…」と呟いていた。
その表情に絶望感はないものの、終わったというより終わってしまったという表情に思えた。
そして最後の挨拶。
もうほとんど記憶が無いのだが、イヴは「間違いなく今日はここが世界で一番熱い場所だった。最後はみんな笑顔で、にっこり!」と会場を笑顔にさせ、「かけがえのない6年間でした。」とシン。
最後に隣同士手を繋いで一斉にジャンプしようという零乃の言葉で会場は一斉に隣と手を繋ぎ始める。
私は右側が通路の席だったため、通路に出て右隣の方とも手を繋いだ。
「本当にみんなは俺らの宝物。愛してます。ありがとう。」
そう言った零乃は最後の最後で私たちに泣き顔を見せた。
せーの!の合図で全員がジャンプ。
そして別れの時。
最初にそこへ進んだのはシンだった。
このライヴの始まりを知らせた扉の前。
終わりを告げるSEが流れ、会場の照明が落とされた。
5人が集まるとゆっくりと扉が開かれ、バックライトにより5人の姿がシルエットになる。
揃ってお辞儀をした彼らに向けられる温かい拍手と声援。
最初にシンが扉の向こうに消え、続いてイヴとKo-ki。
最後に2人揃ってもう一度お辞儀をした零乃と怜我の順で5人は会場を去った。
約4時間にも及ぶViViDのラストライヴは、笑顔と、涙と、たくさんの愛情に溢れて鳴り止まぬ歓声の中、幕を下ろした。
・最後に
こんなにまとまりのない文章を最後まで読んでいただきありがとうございます!
正直ラストライヴからまあまあな月日が経っていたので別にレポとか書かなくてもいいかな~と思ったんですが、せっかくはてなブログを開設したのなら行ったライヴのレポぐらい書いとかないと使い道迷子になるな~~と思ったので(笑)
しかし本当に月日が経ちすぎていて、MCとかあってる自信が全くないです!!!
無事にこのライヴのDVD発売も決まったことですし、手に入れた際はもう一度このレポを読んで自分の記憶がいかに間違っていたかを確認したいと思います!(笑)
あ、ちなみに新幹線には無事最終のやつに乗れたのでご安心を(笑)
あんなに違う意味でドキドキしながらてててていくおふ!したのは最初で最後だと思います…(笑)
シン、零乃、こーき、イヴ、怜我、そしてViViDのファン「COLORS」、ViViDに関わった全ての人へ。
お疲れ様と、ありがとうございました。